【見て来たJ (みてきたジェイ)VOL.4】

シリーズ 見て来たJ ―音楽界に新感!?フィットカバー!―

仕事や趣味で音楽に接している人は沢山いらっしゃることでしょう。楽器と生涯を共に過ごされる皆様に今回の話をぜひ届けたいと思って今回のコラムを書きました。

中でも練習やコンサートの度に楽器と一緒に移動しなければならない、吹奏楽の関係者の皆さんには朗報です。奏者にとって楽器を運ぶ気苦労はとても大きなものであると存じています。特にティンパニーや大太鼓、ドラやマリンバといった大型の打楽器は、自らの手で持って電車で運べる物ではなく、ワゴン車やトラックに載せて現地まで運ぶというのが一般的です。

しかし、プロのオーケストラなら頑丈なハードケースに入れて運ぶこともあろうかと思いますが、アマチュア楽団や学校の吹奏楽部になりますと、上から毛布を被せただけで積み込んでしまうというのが現実なのではないでしょうか・・・?

引っ越しや運送の際に、家具や荷物を包んで養生する弊社のフィットカバー。この商品の新たな使い道を求めて始まったのが「プロジェクトA(Asahi)」です。このプロジェクトの中で「フィットを楽器のカバーとして使うことは出来ないだろうか?」という提案が出されました。
スタッフ一同、全くノーマークの業界でしたので、まずは専門家の意見を聞こうということになりました。そこで私の後輩にプロの音楽家がいたことを思い出し、その日のうちに連絡をとりました。
「キルティング素材のカバーの需要はあるだろうか?」と聞いたところ、やはり「大型の打楽器になるとプロのオーケストラでもない限りは、車載する際もせいぜい毛布を被せるだけで、しかも全体を包むことは難しく天板を覆う程度。足元までは包めない。」という返答でした。更に彼は「これがあれば解決するのですが」と、1枚の画像を送ってきたのです。

驚くことにそれがなんと「フィットカバー」、そう!我が社の製品の画像でした。私は自分がアサヒに勤めていて、このフィットカバーの生産に深く関わっていることを話し、どこかで試着させてもらえないか尋ねると快く了承してくれました。

後日、上司と一緒にフィットカバーを持って会いに行くと、後輩と一緒に彼自身が指導者兼指揮者として関わっているアマチュア楽団の団長が来てくださっていました。この団長は楽団でティンパニーを担当されており、やはり輸送時の養生の必要性を感じていたとのことで、今回の話にあたって私物のティンパニーを持ってきてくださったのです。後輩と団長がティンパニーを車から降ろす際の説明で
「必ず脚部を持って運ぶこと。天板のヘリを持つようなことはしてはならない」
「足元のペダルを破損したらそれだけで使えなくなる」
と、この楽器のそれまで知らなかったデリケートな部分を知ることになりました。次に、降ろしたティンパニーに私と上司とでフィットカバーを掛けてみました。従来通り天板部分に毛布を被せて、その上から包み込むように掛けると見事に収まったのです。一度カバーを外して、今度は後輩と団長に掛けてみてもらいました。二人とも
「包むのも外すのも簡単」
「軽い」
「車に積むときも今まで通りの感覚で積める」
と喜んで頂くことが出来ました。

「何でも包めます」がキャッチフレーズのフィットカバー。楽器にもその効果は発揮出来そうです。音楽業界、特に打楽器の演奏家や運搬に携わる方々にとっても、フィットカバーの需要は高いと考えます。引っ越しの際に家具を傷付けないように養生するためのカバーを、高価な楽器を守るためのカバーとして役立てることが出来れば、私たちとしてもフィットカバーの可能性をより一層広げることが出来ます。

今回、このコラム欄で私見を述べさせて頂きましたが、読んで下さった演奏家の皆さん、是非ご検討ください。お問い合わせ、お待ちしております。

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