SDGs特別号 「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」

「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」

日本の高い効率と品質を持った保護(養生)の文化、そしてゴミを出さないリユースの文化を「プロテクション・キルト™」を通じて世界に広める営業活動をしています。

わが社では、Jキルトという独自技術があり、産業資材の製造および販売に半世紀以上携わってきました。産業に関わる一企業という立場から、その独自のノウハウを活用して「産業と技術革新の基盤づくり」に長年取り組み、また現在も取り組み続けています。その一歩一歩は非常に小さく、地道かもしれませんが、これらの小さな種が将来大樹にならんことを願って、今日も種を植え続けています。

私たちの取り組みのスモールステップをご紹介します。

公共工事の共同溝整備に使用!

2016年3月には東京都内の道路構造の保全と円滑な交通を図る目的で国道における共同溝整備の工事が行われました。その際に当社のあて布団KP4-8を使用して養生を行うということで導入していただきました。具体的な使用方法を取材することはできませんでしたが、当社の同僚によると「道路の中にこのKP4-8が敷き詰められていた!」そのように見えた場面もあったようです。トータルで1,200枚も使用していただき、国内インフラ整備に微力ながら参加させてもらった喜びを感じました。

公共工事と電波

2017年の11月の案件でした。ビル屋上に携帯電話用のアンテナ設置工事を行う業者様より足場を組む単管の運搬に傷つき防止&単管数本を一度に運ぶことが出来ないかと問い合わせをいただき、「単管運搬用カバー!」を特注で製作しました。特殊案件でしたが、このカバーを使うことで壁への衝突回避と怪我などの抑止、運搬の効率化に成功しました。

国境を越えたインフラ開発の荷役

ネパール・カトマンズで太陽光パネル・モジュラー・バッテリーなどを現地に運んで設置する事業に関わるNTT関連会社様から2019年3月に、大変な重量物を人海戦術で移動する工程があり、当社の4人用モッコ(商品をシートに載せて複数人で持ち上げる荷役具)を使用したいと問い合わせをいただきました。その納品までの期間がとてもタイトで、しかし、何とかして間に合わせようと奮闘したことを覚えています。

近代社会のインフラとは!?

高度情報化社会である現代における大きなインフラ要素は情報の伝達媒体であると思います。視覚による情報伝達はモニターやスクリーンなど現在は様々な形で身近に設置されています。2013年から当社が取り組んでいるのは、オリンピックや大規模イベント会場、学校やコンベンションセンターなどのパソコンや大型モニターの設置や移動において使用するカバーの設計と製造・販売です。
実際に導入していただいた通信インフラ構築に携わる業者様には累計で1,300枚以上の導入実績が出来ました。

通信インフラは施工が大事!?

個人宅内における警備システムや現在当たり前になったWi-Fi通信も宅内工事が必須です。その際に作業用マットとして、また床の保護マットとして「セーフティーカバー」と「ノンスリップマット」が活躍しています。プロの仕事をサポートし、また見せる養生として活用されています。

 

これらの導入のほとんどが、使い捨ての保護材からの転向でした。人の生活に欠かすことにできないインフラ整備において、廃棄されるものを減らし、地球の環境を最大限守りながら業務を邁進しようとする強い想いを感じます。人々の生活を守り安心できるインフラを整備する事業にも、共に生きる世界の循環を守る「サステナビリティ」は必要不可欠な要素だという機運が高まっているのをひしひしと感じます。

未来にむかって

エネルギー・交通・通信などのインフラ事業において、当社の養生商品があることで施工や工事がスムースに行われるための潤滑剤となり、なおかつ、繰り返し利用・使用できるサステナビリティを持ち合わせた道具を作ることを社の方針として実践しています。今後は今までに培った技術と情報を海外にも発信していきたいと思っています。
現在当社では3人のベトナムからの技能実習生を受け入れています。彼女たちには日本語力と当社の製造技能を習得してもらい、ベトナムに帰って国の産業の発展とそれが持続可能な材料や道具で行われる手助けをしてほしいと思っています。わたしたちが持ち帰らせたいのは「単なる技術」ではなく、私たちが半世紀以上積み上げてきたリユースという「思想に裏打ちされた技術力」です。

今私たちはある企業様と協力して電動車いすのカバーを開発しています。
車椅子は安全性を担保しながら、サイズダウンや軽量化が進んでいます。
今後、車に電動車椅子を積んで方々に移動して、そこでいろいろなことを楽しむことが出来るようになるでしょう。
楽で快適、且つ安全に持ち運びが可能になるカバーを私たちが作ります。

車椅子の利用は障害のある方もそうですし、これからの高齢化社会での利用は確実に増えていくことでしょう。実際に乗ってみて分かったことは、この電動車椅子には「バリアフリー」が最も重要なことであり、この「バリアフリー」はインフラの一つであるということです。

これからの社会が、障害の有無、人種、国境、発展の違いなどの障壁を乗り越えて、本当の意味でバリアフリーになるように、私たちはこれからも努力し続けていきます。アサヒの作る製品がインフラ整備の促進につながり、国を越えて人々の心の垣根を取り払う一助にならん事を切に願って。

執筆Y・S