SDGs特別号 「11 住み続けられる街づくりを」

「11 住み続けられる街づくりを」

日本の高い効率と品質を持った保護(養生)の文化、そしてゴミを出さないリユースの文化を「プロテクション・キルト™」を通じて世界に広める営業活動をしています。

「災害から市民の安全を守るプロテクションキルト」

地球温暖化により、近年世界中で強い台風、ハリケーン、サイクロンや大雨による洪水などの自然災害が起きています。水害では雨漏り、浸水、河川の氾濫により家屋が流されるなど日本では特に島国なだけに顕著で甚大な被害が出ています。
災害によって多くの被災した人々が避難所での生活を続ける事となり不安な日々を過ごされます。食品の供給、プライバシーの確保が万全とはいかず十分な睡眠をとれない生活を送られることも少なくありません。

アサヒでは、平成27年(2015年)9月10日、台風18号による関東・東北豪雨災害で鬼怒川氾濫による水害で常総市の避難所に当社商品の支援をさせていただきました。床に敷いて少しでも暖をとれるよう裏に滑り止めが付いたノンスリップマットをお届けしたのです。当社にできることは少なく無力感を感じながら、でもできることはしたい!という一念から倉庫にあった商品の在庫を車に積んで直接届けさせていただきました。

2020年

荒川の増水による氾濫の危険性があるとされましたが、後の氾濫水位を下回りました。

また、昨年(2020年)関東地方を襲った大雨では、アサヒ本社近くを流れる荒川も土手の上近くまで増水し、避難をする人も多数おり近隣から通う社員も不安な夜を過ごしました。災害はいつどこに来るか分からない、他人ごとではないと実感しました。私も70をこえた母と同居していますが、母が被災して避難所に行くことを考えると、不安で夜も眠れず、暖を取ることもままならない状況は容易に想像ができます。身近な災害の備えと、社会全体が企業も巻き込んだ形で協力できる体制づくりが、また各々の企業の特徴を活かした災害対策の支援体制が急務であると感じます。

昨今の災害の頻発を機にアサヒでは災害対策として、今年1月関東経済産業より事業継続力強化計画に係る認定を得ました。そのほか連絡網の作成、データのクラウド保存、避難経路の確保、簡易トイレや手動式懐中電灯の購入、水の備蓄用にもなるウォーターサーバーの導入などを日頃女性社員が集まり意見交換をしながら進めてきました。
災害に関わらず、雪や台風の場合も遠方から来ている社員などは早めに帰宅をさせています。このような小さいかもしれませんが、地道な取り組みが大きなムーブメントになり、実際の災害時には役に立つと信じて、日々取り組んでいます。

アサヒでは日頃よりSDGsと向き合い災害対策のみならず、リユースの文化を発信する活動も同時に行なっています。
今後は物流支援や商品のプロテクションだけではなく、止めることが出来ない自然災害とも向き合い、安全が保たれ安心して避難所生活が送れるような人を守るヒューマン・プロテクションマットなど、環境に配慮した製品を作りだしプロテクションキルトを世界にも広めていきたいと考えております。

SDGs11番目「住み続けられる街づくりを」です。都市や居住地を安全かつ持続可能にする事です。

執筆C・T

「災害による被害を最小化するプロテクションキルト」

千葉県野田市にある、当社の工場の取り組みを紹介します。
SDGs11では、「災害での被害を抑制する」ことが目標に設定されています。そこで、私たちが取り組んでいる事は、避難経路の確保、避難場所の確認、年4回の避難訓練を実施しています。また、避難する時には機械を最低限止めたりする等、被害を少なく抑えられるように工夫をしています。
そのほかにも、目標に設定されている「環境への悪影響を減らす」ために、製品を作る際にできてしまう端切れ部分を工場内で生地と綿に手作業で分解をして、綿をリサイクルして使うことによりごみの削減をしています。ただ、工場では年間で約10トンの端切れ、廃綿が出てしまうので、手作業ではどうしても追いつきません。そのため、座布団を作っているメーカー様にご協力頂き、提携している運送業者が廃綿を配送し、メーカー様に引きとってもらい、ガーネット(生地廃棄物、糸くず、綿廃棄物などを引き裂く機械)という機械を使って綿にして座布団を作って頂いています。そのため、端切れ部分はほぼリサイクルされており、当社の製品をどれだけ作ってもゴミが出ず、環境にやさしい製品となっています。

未来に向けて-今後の構想

    1. 「災害時の被害をさらに抑制」すること。

そのために、物がなだれ込まないような棚、機械の配置の工夫、突っ張り棒や衝撃吸収パッドなどを利用し物が落ちてこない、棚が倒れない工夫をして被害の抑制をしていきたいと思います。また、プロテクションキルトを応用した安全用品の開発も行っています。実用化されている物では、フォークリフトの爪カバーなどがあります。また、今後も色々な現場に活用できる保護カバーを開発し、自社のみならずお客様にも使っていただけるようにしたいと思います。

    1. 「環境への悪影響を減らす」ためのペーパレス化

現在でもペーパレスを進めています。2020年10月から定期運送便における伝票は紙伝票を廃止してPDFでのやり取りにしました。また、FAXを最小限にし、可能な限りSNSでデータを共有しています。2020年6月から社内週報は公式LINEを利用しています。今後もごみを減らし「住み続けられるまちづくり」に取り組んでいきます。

    1. 他にも将来的には、「文化遺産や世界遺産の保護」にも取り組みたいです。

防炎、撥水、通気性、防刃、防弾など、用途に合わせ特化した特殊機能製品を作り、文化遺産、自然遺産の保護に活用できるようにしたいです。当社の製品を使った「文化遺産や自然遺産の保護・保全努力」が今後の商品価値に対する挑戦でもあります。

執筆Y・K