SDGs特別号 「10 人や国の不平等をなくそう」

「10 人や国の不平等をなくそう」

日本の高い効率と品質を持った保護(養生)の文化、そしてゴミを出さないリユースの文化を「プロテクション・キルト™」を通じて世界に広める営業活動をしています。

はじめに

2015年9月に国連サミット全会一致で採択された「SDGs」。弊社は輸送や保管にかかわる養生資材の製造販売などを基幹業務としています。また働く人の作業効率を飛躍的に改善し、且つリユース性の高い「プロテクション・キルト」のリーディングカンパニーとして何ができるか各部署、また会社全体でも考え、取り組みを始めています。東京都にある本社オフィス・ショールームと千葉県で運営しているJキルトファクトリーという自社工場ともに「持続可能な開発目標」を実現していきます。未来の命、子々孫々に至るまで長く継承され、愛される経済的で環境に配慮した生産・販売システムを生み出し、それにより磨きをかけ、命が輝く未来を守っていきます。

今回は、SDGs目標10 「人や国の不平等をなくそう」について考えます。世界で起こる経済的格差や人種差別などは深刻な問題となっています。

不平等は経済成長の妨げになります。特に所得格差は性別や年齢、障がい、人種、民族などを理由に起こります。これらを是正するため、機会均等を測る取り組みが必要だとされています。当社の取り組みを紹介します。

【外国人従業員の雇用と技術教育促進の取り組み】
アサヒでは、2019年8月から正社員やパート社員として外国人労働者を雇用しています。
いずれも日本人と同じ待遇、労働条件のもとで仕事をしています。
生産部門においては、ベトナムの技能実習生を受け入れています。
約3年間日本で技術を習得し、自国へ戻った時、活躍できる人材になれるよう教育制度を設けて指導を行っています。
実習生は、ベトナムの研修施設で日本語や事前業務研修を受けて来日しました。ベトナムからの第一期生としてこれからもどんどん活躍していってもらいたいです。
通常は、千葉県の野田市にある弊社工場の生産部門で働いています。勤勉で真面目に誠実にコツコツと仕事に取り組んでいます。
仕事とは別で月に一度社員が先生となり日本語教室を開いています。
教える難しさはありますが、教える側も共に学び成長できることが自己のやりがいにも繋がり、組織全体の能力が高まっています。その成果もあり日本語能力試験N3に合格してくれました。双方の努力が報われた結果だと思います。この経験を大切にしてもらいたいと思います。

2021年11月には、本社事務部門で研修を行いました。

~研修の目的は、3つあります~
1.会社の概要と自分たちの仕事の意味を知る。自分たちの仕事が、社会のどこで役に立っているのかを考える。
2.本社メンバーとのコミュニケーション。実習生のみんなを応援していることを感じてほしい。
3.日本のオフィスワークの体験・ビジネスマナーについて
① 言葉遣い 挨拶とお辞儀
② 身だしなみ  お互いを確認し合う
③ 名刺交換 本社社員と名刺交換をおこなう
④ 電話応対 かけ手、受け手に分かれて実践する
⑤ 来客応対時の「お茶出し」マナー

~3日間の本社研修を終えて~
来日して2年が経ちましたが、日本語の理解は出来ても言葉を発する難しさがあり、個の研修も容易にはいかないと感じていました。
そのような中、出身国ベトナムについての発表は、写真をみながら準備してきた日本語で説明したり、慣れない言葉で電話応対の練習に意欲的に取り組んだり、一生懸命取り組む姿勢に心をうたれました。
この経験が自国へ戻り日本の企業に携わる仕事に就いたとき少しでも役立つような体験になってもらえたらいいな!と真摯に向き合う彼女たちを見て、心から思いました。
これからは実習生にベトナム語でホームページを作る指導をしていきます。
どのような企業で働き、どのような意味の仕事に携わっていたのか作成しながら考えることが「より深く学ぶ」機会になると思います。
第2期生選出の際は、そのホームぺージを活用できるようにしたいです。

【女性活躍推進の取り組み】
まずは、自社の女性の活躍状況を把握し、改善点や課題を考えます。そして行動計画をたて、定期的に現状を点検・評価して目標を見直し、行動計画をブラッシュアップしていくことを進めていこうと思います。

1,女性社員活躍推進プロジェクト
私は、本社で事務をしています。職場には女性が5人います。
日々助け合いながらチームワークよく業務に取り組むことが出来ており、共に仕事をこなしていく中で何かこのメンバーで出来る事はないかと考えるようになりました。
会社のIT業務をお願いしている方から女性だけの「わちゃわちゃ会」をやっていると伺いました。イメージとしてはカーリング女子選手がハーフタイムに車座になってお菓子を口にするおやつタイムと言った感じでしょうか!?
そこで2020年4月より、月に一度会社の応接でおやつとドリンクを用意し女性だけで話す場を設けてみました。「女性社員活躍推進”わちゃわちゃ”プロジェクト」のはじまりです!

ウォーターサーバーを会社に設置してもらいたい‼️ 私達の強い要望がありました。
社長に言うには要求だけではすぐには設置してもらえない。
これをきっかけに社内で経費削減できることはないか無駄なことはないか改善点を考えることにしました。色々な案が出た中で、置く場所に困るくらいコピーの裏紙がたまってしまう。そこに焦点を絞りました。
オフィスのデジタル化です。コロナ渦でより重要性が高まりました。
FAXを受け取る際は、すべてデジタルで保存。発注書など工場への社内間のFAXのやりとりは、スカイプのチャット機能で行うことにしました。

その結果、カウンター料(コピー数)2020年平均¥20,332 が、2021年平均¥14,195 に減らすことができました。
以前は、男性営業マンのアシスタントという位置づけでサポート役に徹していましたが、女性が「発言出来る場を作る事」により気軽に、しかし具体的に業務の問題点、改善点、課題が言えるようになり普段の仕事に対する意識が変わり、様々な効率化に繋がりました。

今年からは月に3回ある営業会議にも女性が1人ずつ参加するようになって意見や感想を言わせてもらっています。会議を意識することで日々の業務の取り組み方も変わってきています。その中で女性1名の活躍が会社で認められ、2021年6月に管理職に昇進しました。

ほかに女性社員が中心に行っている業務の一つにショールームの運営があります。
ショールームでは主に工場から出るアウトレット品を販売しています。規格のサイズより少し大きさが変わってしまったものや本来ゴミとなっていた半端な材料を繋ぎ合わせて丁度いいサイズにして制作したものをお安く提供しています。工場で不用になっていた生地を形にして販売することによりゴミの削減に繋がりました。

最近の事例では特注カバー製作のために多く注文し余ってしまったブルーシートを売って欲しいと工場から言われ、そのままでは売れないので、エコバッグに出来ないか本社でサイズを検討し作成を依頼しました。すぐさま70枚ほど出来あがってきましたが思ったより多い枚数を目の前に呆然としてしまいました。これからどのように販売していくか売り切ってみせるか現在担当で模索中です。

ショールームについてはまだまだお客様の認知度が低いです。まずはお客様に知ってもらいたい!これからは「インスタ、Twitter、 LINE」などのSNSを活用して広めていきたいです。手始めにLINE公式アカウントを立ち上げ、友達を募集することにしました。友達追加が出来たら粗品をプレゼントする画面が出るようにどうにか準備が整いました。最低月1回新しい情報を配信する行動計画も立てました。女性が中心となり活躍できる場です!!
今後は数値目標を持ち売り上げを伸ばしていきたい。お客様に「こんなモノあったらいいな!」というものを聞き取り調査して新商品を生み出し配信していきたいと考えています。

まだまだ試したいことがあります。小さい会社だからこそ自由にやらせてもらい、喜びや充実した毎日をおくれていると実感しています。
これからも恵まれた仕事仲間と喜びを分かち合いながら邁進していきたいと思います。

2.介護と仕事の両立について
女性は育児が落ち着いてくるとその後は親の介護について心配になります。
総務省「就業構造基本調査」によると、雇用者について、男女、介護の有無別にみると、介護をしている者は 239 万9千人で、女性は 137 万2千人、男性は 102 万7 千人となっており、雇用者総数に占める割合はそれぞれ女性 5.5%、男性 3.3%となっています。

介護をしながら女性も仕事を辞めずに安心して働き続けていけるような会社にしたい。
そのために具体的な仕組みづくりに取り組んでいきます。

~介護のための時短勤務に就業可能な職場の環境づくり~
・業務に支障が出ないようにマニュアル化を推進し、介護時短勤務者が出ても困らないように準備する。
・上司や同僚に相談しやすい「風通しの良い職場の雰囲気作り」を行い、助け合う気持ちを醸成させ、応援体制を作る。
・会社内で職業家庭両立推進者を選任し、家庭と仕事の両立に関する相談に対応する。
・2022年6月の社員研修(全体会議)で就業規則に規定されていることを周知し、その後掲示板にパンフレット等を掲示し、社員への周知を図る。

これから超高齢社会において、介護は避けて通れない課題となり、企業は介護と仕事の両立ができる体制を整える必要性が高まります。両立支援制度を導入し、社員が介護による精神的、身体的、金銭的な負担が少なくなるよう体制を整えていこうと思います。

企業の中で不平等が見られないか常に気を配り、意識改革を行うことがSDGs10の目標達成に貢献し、世界の不平等をなくす動きにつながります。
海外展開を積極的に進める企業として、人種国籍に関係なく、これからも均等な就業機会の提供・技術教育の促進に取り組んで参りたいと思います。

執筆M・N