【キルトStudyプラス】「日曜大工と縫製」

【キルトStudyプラス】「日曜大工と縫製」

 多くの方が一度は「針」を持った経験があると思います。縫製とは機械(ミシン)を用いて布製品を作ることを指します。ある程度の技術と知識をもって作品や商品を作り上げることを縫製というのではないでしょうか。この業務は資格こそ必要ありませんが、経験がとても重視される仕事だと今実感しています。

私はアサヒに勤めて5年半くらいになります。キルティングマシンにセットして使う長い生地を縫い合わせる「生地班」で仕事をしています。私なりに結構慣れてきて早く縫えるようになった!と思うのですが、熟練さんを見るとやはり1本の生地(縫い合わせていくと全部で50~60mになる)を縫い終わるまでの速度がすごい!30枚から多い時で60枚弱の生地を縫い合わせて長い生地をつくりますが、一枚縫って、次の一枚をもってきて、重ねてまた高速で直線縫いをする。大事なのはそれぞれの動作の無駄をなくし、出来るだけ短い時間で次を縫うことです。やはり熟練の方は無駄が少なく、新人さんと比べると倍くらいのスピードで1本を縫います。それが経験と年数の積み重ねの成果だと感じています。私も早く先輩方みたいに早くて丁寧で納得いく仕事ができるようになりたいと思います。後は、縫いのミス・・・私たちは「パンク」というのですが、下糸が無くて縫われていなかったりなどの失敗がやはり新人さんや研修中の人は多くなりがちです。熟練してくると音や手触りで違いを察知してミスを未然に防ぐことができるようになるのです。

 先日、家族で飼っていたミニチュアダックスが亡くなってしまいました。小さいころから今まで元気でいてくれたのですが、人間より年を取るのが早いので、ここ最近は足腰が弱ってきていました。ある日、いつも自分で飛び上がっていたソファーに上がれなくなってしまいました。どうにかしてあげられないかと家族で考えて、スロープを作ってあげてはどうかということになりました。早速日曜大工が得意な私たち夫婦はホームセンターで板を購入しスロープをDIY!そして上りやすいようにと会社で作っているノンスリップマットの余りをもらってきて表面に張り付けました。表はパイルで柔らかく、裏は滑り止めになっている物です。最初は戸惑って登ってくれなかった愛犬も徐々にスロープを使ってソファーに上ってこれるようになりました。今思うと少しの間でも工夫して作ってあげられて本当に良かったと思います。プロツールの丈夫さと品質でペットの為の商品もできるのではないかと思いました。因みに、写真の「開反機(生地を引き出す機械)」も生地班で自作したものです。台車のキャスターを逆にして使っています。

日常生活の中でこんな商品があればいいなとか、買ってくれる人も安心して大事に使ってくれるものになるようにと今日も心を込めて商品づくりをしています。愛される商品を丁寧に早く熟練の技で作れることを目標に頑張っています。

A・Tさん