【キルトStudyプラス】「ブルーシートとの戦い」

【キルトStudyプラス】「ブルーシートとの戦い」

ブルーシートと聞いて、皆さんはどのような場面で使用されている物を思い浮かべますか?実際に自宅で何かのカバーにしていたり、レジャーシートとして使ったことがあるという人も多いと思います。また、多くの人はテレビで目にしていると思います。なぜなら、災害時にも大活躍しているからです。そんなブルーシートはアサヒにとっても無くてはならない存在です。それは、長きにわたって売れ筋、定番商品のマットレスカバーの材料になっているからです。

今では年間1500枚を超える生産量ですが、これを二人でこなしています。

ブルーシートといえば、ホームセンターで適当な大きさにカットされて売られているのは多くの方が見たことがあると思います。

では、この写真のようなものはどうでしょうか?

これはブルーシートの100m巻きです。直径20cm超!普通ではなかなか見る機会がないと思います。マットレスカバーの制作にはこの青い丸太の裁断からはじまります。まず、延反機という裁断する機械の台に乗せなければならないのですが、重いです。1本約40kgあるそうです。一度に100枚単位で製作しますが、これに対して100mのブルーシートを約5本使います。実におよそ200kgのブルーシートを相手に、ここから戦いが始まっていると言っても良いでしょう。裁断は一人で行います。裁断の後は縫製です。

この他にもマチ部分の裁断、マチに空気穴を作るためのハトメ打ちの作業があります。まず、マットレスカバーの見頃部分について。裁断したブルーシート2枚をハギ縫いし、1枚にします。これがおよそ面積にして7.32㎡あります。それにベルトを付ける人、マチを縫い付けて立体化し、仕上げる人に分かれてそれぞれミシンで縫っていきます。シートがとても大きいので、シートに覆われるような感じで縫っています。

シートは保温性を感じるので、夏場はエアコンのついている部屋で作業していても暑いです。冬場は空気の乾燥と寒さでシートの硬さが増す感じがします。もともと丈夫なシートなので取り回しにとても苦労します。思った位置にシートが動いてくれないのはしばしば!身体全体を使って動かしながら縫うので、手も肩も痛くなります。まさに戦いです。1個の製品を作る時間は裁断から1時間くらいでしょうか(汗)、それを数多くまとめて作業することで時間短縮を図っています。

そんな感じで毎日ブルーシートと向き合っていますが、大変な分、100枚仕上がったときの達成感は大きなものです。昨年、5年間一緒にマットレスカバーを作成してきたベテラン従業員・先輩が引退され、今は新たな人と組んで担当しています。年間生産予定数をこなすには計画性もスピードも必要です。だからといって雑なつくり方はできません。お客様が信頼できるモノづくりは絶対条件だと思っています。「自分が商品を使う立場になって常に考えながら作っていこう」とミシンに向かっています。

 

マットレスカバーの担当であるうちはブルーシートとの戦いは続くので、これからも上手く付き合っていきたいと思います。ブルーシートはあらゆる場面に活躍する万能製品なのですから。

E・Yさん