私の仕事は進化中!
入社以来、たくさんの人から仕事を教わり、会社からもさまざまな経験を積ませていただきました。月日が経った今でも、誰に何を教わったかをよく覚えており、その一つひとつが今の自分を形づくっているのだと感謝しています。
現在は、ブルーシートの縫製を中心に、マットレスカバーと布団袋を担当しています。入社してすぐはブルーシートのペケ縫いやハギ縫いを経験し、1〜2年ほど経った頃には特注マットレスカバーを少し縫う機会もありました。そのときのわずかな経験があったからこそ、担当を任されたときにも前向きに取り組むことができました。
最初は大きなシートに振り回され、「どうしたら早く、きれいに縫えるのだろう」「先輩はどうやっているのだろう」と考えながらの作業でした。しかし数を重ねるうちに、体が自然に作業を覚え、意識せずともこなせるようになり、スピードも効率も上がっていきました。
しかし、無意識にできるようになったことが、かえって問題になる場面がありました。人に教えるとき、手順は説明できても「コツは?」と聞かれると、うまく答えられず「慣れ…かな…」としか言えなかったのです。確かに数をこなせば上達しますが、具体的なコツが分かれば、より早く身につきます。自分に合ったやり方が見つかれば、作業はもっと楽になります。
「シワにならないようにするには?」「角をきれいに出すには?」「ズレないように真っ直ぐ縫うには?」──改めて考えると、自分でも「私はどうやってた?」と振り返ることが多くなりました。
一つひとつの作業を客観的に見直し、言葉にして伝えることで、自分自身も上達しました。教えた相手からも「もともと仕事は楽しかったけど、もっと楽しくなった」と言ってもらえ、当初は仕上がりにバラつきがありましたが、練習を重ねるうちに安定し、互いの出来栄えの差も縮まりました。

教える過程で自分自身も新たな気づきを得て、成長し、仕事の精度が高まりました。久しぶりに縫った布団袋も、仕上がりがベテランの社内サンプルと比べて確実に良くなっていると感じます。
「意識しなくてもできることを、あえて意識する」
その振り返りと改善の積み重ねが、人材育成につながるだけでなく、自分自身の応用力の向上にも結びつくと感じています。
改めて縫製の仕事について考えると、どんなにAIやロボットが進化しても、人の手を必要とする仕事だと実感します。生地は伸縮性があり厚みもさまざま、部材や糸にも多くの種類があります。さらにお客様のニーズは多岐にわたります。そうした条件に柔軟に対応し、形にしていけるのは人間ならではの力です。だからこそ、この仕事には大きなやりがいがあります。
「進化する組織では、人材も育つ」と言われるように、その一人になれるよう、これまでいただいた教えを胸に、技術を磨き、次の世代へつないでいきたいと思います。
Y・Oさん