私の相棒、紹介します!
アサヒに入社して20数年になります。アサヒでの相棒、相棒と一言で言っても同じ仕事をする人や、いつも使う道具などいろいろあると思いますが、今回は道具(主にミシン)について書きたいと思います。
入社して初めて配属されたのが生地縫いの現場でした。ここは大きなキルティングマシンで綿入りキルトを縫うための生地を縫う場所です。当時は、平物布団用の5尺、6尺、7尺、8尺幅に、フィット用110幅、80幅、その他ノンスリップ用エンジの生地をそれぞれの幅に延反し、その幅で生地を横つなぎで約50m、フィットで60mになるよう1枚、1枚縫っていくのです。当然8尺などは長いので大変です。50mになるように縫うには42枚の生地を縫わなくてはなりません。(1枚の生地幅が1.2mの為、1.2m×42枚=約50m)1日あたり表、裏生地あわせて50mに縫った生地を6〜8本キルティングマシンで使用します。それを考えると早く縫えるミシンでないと作業効率が悪くなります。そこで使われていたのがエジコンミシンでした。(写真1)

写真1
このミシンは、布端をセンサーで感知し、上下の生地を正確に制御して縫い代を一定に保ちながら縫い上げるのが特徴です。ミシンのボタンを押すことで縫い始め、センサーがあるので、2枚の生地がずれたりすると自動で止まります。ずれないかぎりは端から端まで緑のボタンを押したらミシンは止まらず縫い続けます。緑のボタンをまた押せば一時停止はできますが、いちいち止まっていたのではこれまた作業効率が悪いです。(写真2)縫うスピードがとても速いので、2枚の生地を常に揃え、一気に端から端まで縫うのがコツがいり大変です。また、このミシンは立ち縫いミシンで1日中立って縫うので、1日の終わりには足がパンパンで棒のようになり、とても大変だったのを記憶しています。今はこのミシンは故障をして別の座って縫えるミシンに変わっていますが、縫製工場だからこそ経験できたミシンなので、貴重だったと思います。生地縫いは約10年やっていたので、現時点では一番長く付き合った相棒と言えたでしょう。

写真2
生地縫いの担当を離れてさらに10数年、キルティング、マットレスカバーの縫製、現在の特注制作と担当が変わるたび一番身近な相棒もその都度変わっています。キルティングマシンは大きな機械を2人ペアで操作し綿入りキルトの縫製、マットレスカバーの縫製は生地縫いとは用途が違う別の種類のミシン、そして現在使用しているミシンは、マットレスカバーを縫製していたたミシンと用途は同じですが、足元の操作が若干異なります。
このように、作業の担当が変わると共に一番身近な道具の相棒も変わってきました。時と共に相棒と共に沢山の経験をしてきました。つらく大変なことも沢山ありましたが、一つ一つの経験が私にとっては貴重です。経験は人を成長させてくれると思います。これからも一緒に働く仲間の協力や道具に感謝し、経験を重ね、日々より良いものづくりをしていきたいと思います。

E・Yさん