【キルトStudyプラス】「ヘリ加工のコツ!」

【キルトStudyプラス】「ヘリ加工のコツ!」

ヘリ加工とは、キルティングやフィットカバーのヘリを細いテープ状に加工した生地を使ってカバーして縫う作業のことです。フィットの場合はロックミシンを使って糸でかがります。

私はアサヒに勤めて22年と4カ月になります。入社してから一番長くヘリ加工に携わってきました。バインダ加工、ストレートテープ加工、ロック加工と考えてみればヘリ加工のスペシャリストになってしまいました(笑)。この作業は単純ではありません。ただミシンをかけるのではなく、いかにパンクをせずゴムを切らずにロックミシンをかけていくか。いかに目飛びを少なくしたバイアステープ加工をするか、角をきれいに始末するか、考えることが沢山あります。

今私はフィットのロックの加工をしています。少しでも手元がくるうとゴムも一緒にロックしてしまったり、切ってしまったりするので、指でゴムの位置を確認しながらロックミシンをかけています。それでもフィットのLサイズなどは伸ばすと円周で6m近くあるので、ゆっくりかけていたらノルマの枚数は何時まで経っても終わりません。前任者にはアクセルペダルを全開で踏んで作業しなさいと指導されました。そうです!アサヒのロックは絶えずフルスロットルでの作業です!

セーフティーマットのヘリ加工はストレートテープです。これはバイアステープのように45度にスリットカットしてつなぎ合わせたテープではなく、ロール原反の生地を輪切りにしたテープです。折り目に対してバイアス(斜め)になっていないため、テープが伸び縮しません。そのため角を曲がるときは窓枠のように織り込んで縫っていきます。これに技術が必要なのです。また、ラッパというステンレスでできた金具にテープを通してキルティングのフチを巻く形にするのですが、テープとラッパ、キルトの端を一定にそろえてミシンを動かさないとすぐにパンクして縫えていない部分を作ってしまいます。直線をテープ加工するコツは・・・心を平常心に一気に進むこと!目はテープとラッパ、キルトのヘリの部分をしっかり見つめ、左手は添えるだけ!そして難関の角がやってきます!でもこれは枚数を重ね、経験を重ねるしかないです!毎月平均でセーフティーマットは1,000枚くらい加工しています。4,000回も角を曲がれば・・・年間で48,000回もテープを折り曲げていれば手が自然と覚えます~!だから、ヘリ加工のコツは・・・手が覚えるまでひたすら枚数を重ねる事!

N・Oさん