【キルトStudyプラス】「パターン縫いミシン」

【キルトStudyプラス】「パターン縫いミシン」

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 Jキルトファクトリーに新しく「パターン縫いミシン」が導入されました。パターン縫い?ミシン?聞いたことがあるような・・・ないような・・・
パターンと言えば、型、様式、類型など物事を作る基になる原型、古典的な手続き、また決まった動きや流れを固定させる状態のことですよね。実はコレ、私たちの商品の一つを超高速で作ることのできる頼もしい味方なんです。
弊社は引越し用品や梱包資材を作るキルト製品メーカーです。現場では、保護材で梱包し、出荷に適した大きさ長さに結束する「ベルト」は欠かせないものです。そう!そのベルトと角カンを縫い合わせるのがこのパターン縫いミシンなのです。ベルトの幅は3cm・4cm・5cmの3種類に角カンも幅にあったものをしっかり縫い付けることができます。縫い方のコツはちょっと秘密ですが、長年現場の方に信頼されながら培ってきたものが、今プログラムとしてミシンに組み込まれてているのです。縫い方パターンは液晶画面で確認でき、スイッチ一つで縫うだけなのですが、ここで重要なのがミシン台に固定するプレート(治具)です。3種類のベルト幅のそれぞれのプレートがあり、データもそれに合わせてフォーマットされているので、ミシン台に着脱・入れ替えをし、セットすることで3つも幅のベルトを同じ様式で縫うことができます。
パターン縫いミシン導入以前は熟練の職人が1本づつ縫い合わせる工程がありましたが、ミシン導入後は1日に倍近くの本数を縫うことができます。キレイで均一にそしてスピーディーです。本当に良い所取り・・・と思いきや、たかがミシン、されどミシン!!ミシンはそんなに甘くはないのです。私共職人はとても高度な技術が要求されます。ミシンには使用年数や縫う生地、素材、糸の種類によって、糸の調節、針の長さ、太さを考えなければいけない、所謂「癖」が多くあります。それを理解し調整を施すことが必要不可欠です。その1つでも不具合があると一目盛も正確に縫えないのです。パターン縫いミシンも同様です。ですから自動化したとは言え長年の経験、技術なしには使いこなせないミシンです。職人が絶妙なタイミング、正確さでプレートをセットし、糸の調子を見て、検品、やっと1本のベルトが出来上がります。如何に以前よりもスピードが上がる自動機であっても職人の技と目、そして手が必要なのだと思います。
お客様に安全で使いやすい製品を提供し、喜んでもらえるように願い、また今日も黙々とミシンに向き合う職人たち。そんな仲間を私は心から誇りに思っています。