【フェルトStudyプラス】「椿工場体験記」
椿より愛をこめて!
世の中が量子コンピューターだ!ヴァーチャルリアリティだ!と進んでいる中、まるで昭和の町工場(まちこうば)にタイムスリップしたような工場、それがアサヒ椿工場です。「日本電波塔」である東京タワーが建設され、黒電話が各地で鳴り響き、ブラウン管テレビから陽気な歌謡曲が流れてきていた昭和中期、時間が激流の如く通り過ぎるのに、なぜか心地よい和やかさがある、そんな昭和の空気が、私が初めて足を踏み入れたあの時、この工場で感じたものでした。コロナ禍という未曽有の事態ではありますが、有難いことに仕事は引っ切り無しに入ってきます!
その注文を一所懸命に黙々と製作している姿を見て、一緒に作業をしてみて、私は椿工場で働いている方々を改めてとても尊敬するようになりました。年配の方々が、大きな重たい荷物を持ち運び、男性がやっても大変な作業を全身を使って事も無げに行う姿。とても作業が早く、聞くと「10年以上も同じことを繰り返してるから早いのは当たり前!」と笑いながら返事が返ってきます。作業中、手を抜く姿を私は見たことがありません。
商品の品質に対する気配りは「星一徹のごとき厳しさ!」それら全てが、未だ50年以上もお客様に支持され売れ続けている理由だと気づかされます。私たちが製造するのはフェルトやゴム、特殊な樹脂などを型抜きし、シールにしたり、ガラスの間に挟んで割れにくくする緩衝材にしたり、椅子やテーブルの足の裏に貼ったりする商品です。
あまり大きな声では言えませんが、キッチンのソフトクローザーなどの新機能にも重要な部分で使われています。
きっとあなたの家にもあるかもしれません・・・
いえ、きっとあります!
小さいものですが、その分、数が多い商品がほとんどです。大きな材料から段々とカットダウンさせていき、最終的にはプレス機で型抜きをし、検査、梱包をするところまですべて一貫生産です。
懐かしの空気が色濃いこの椿工場にも、少しづつですが変化が訪れています。これからだんだんと変わっていくのです。椿工場品質(アサヒ品質)を維持・向上させながら、お客様との接点を増やして、皆で商品の改良・開発を行っていきたい。やりがいを持ち続けられる仕事として、これからの数十年後もしぶとく生き残っていく工場でありたい。お客様にこれからも支持される品質の商品を作り続けたいと切に思います。
今私は工場に技術習得研修に入っています。たくさんの気づきがあり、とても貴重な経験をしている真っ最中です。これからも椿工場の一助となれるよう、私自信も努力を続けていきたいと思います。
Y・Sさん