【コラム】キルト職人奮闘記 VOL.7

キルト職人奮闘記 VOL.7

私が(株)アサヒに勤めて今年(令和2年)で31年目になります。こんなに長く勤められた一番大きな理由は「働く環境が整っていた」からです。

30年前、私が入社した当時、私の子供も小さく、また女性の社会進出が今ほど進んでいない時代でした。小さい子供がいる女性が働くのは沢山の制約をクリアしなければいけない、そんな時代でした。その中でアサヒは勤務時間の短縮や急な休みの対応などにも快く応じてくれる会社でした。野田市の地域の中でもそのような会社は珍しかったと思います。おかげで仕事と家事を両立して子育てをすることができました。

入社以来、私は伸縮自在のキルティング商品フィットカバーの製造に携わってきました。特殊な縫製機械のため操作が非常に難しく、初めのころは失敗が重なり落ち込むときもありましたが、上司や同僚からのアドバイスを受け、比較的早く納得のいく商品を作り上げることができるようになっていきました。周囲の協力、気軽に相談できる仲間、良い指導をしてくれる上司と、良い会社の環境があったおかげだと思います。

今、ベテランの技術者になった私は後進の育成担当をする立場にあります。昔私がしてもらったように適切な技術指導ができるよう日々奮闘中です。私はいろいろなことに興味を持つタイプで、この長い年月で多くの部署での仕事を覚えました。その経験が活きて、生地を縫い合せる生地班や綿を製造する製綿班などにも応援に呼ばれます。「やればできる!」という気持ちでどの部署においても一所懸命に効率的仕事に取り組みます。是非これからの時代を担う若い人たちが、この仕事の姿勢を受け止めて成長してほしいと思っています。

まもなく引越しシーズンの3月を迎えます。引っ越し作業を円滑に進める私たちの製品、その真価が試される時であり、必要なお客様に提供しなければいけない時期です。私たちは直接引越しには携わりませんが、引越しの現場を支えているという誇りと「職人魂」を胸に、今後もこの職場で研鑽を積んで、より良い製品づくりをしていきたいです。

E・Tさん