効率と品質の両立。次世代へ繋ぐ工場の姿
製造の仕事をしていると、効率よく仕事をすることと、品質を守ることは、どちらも大切だと感じます。
できるだけ早く、無駄なく生産することは、会社にとって重要なことです。しかし、早く作ることだけを意識してしまうと、確認を省いてしまったり、少しくらい大丈夫だろうという判断が増えたりして、結果的に不良や手直しにつながることがあります。
反対に、品質を意識するあまり、一つひとつの作業に時間をかけすぎれば、生産性が落ちてしまいます。
では、効率と品質を両立するにはどうすればいいのか。
私は、単純に作業を早くするのではなく、まずは無駄な作業を減らすことが大切だと考えています。
例えば、材料を探す時間、道具を取りに行く時間、同じ作業を何度もやり直す時間など、ひとつひとつは小さな時間でも、毎日積み重なれば大きな差になります。
こうした無駄を減らすことができれば、作業を急がなくても自然と効率は上がり、そして、そこで生まれた時間を、確認や品質を高めるために使うことができます。
効率化というのは、人が仕事を急ぐことではなく、人が無理をしなくても良い仕組みをつくることなのだと思います。
そして、これからの工場を考えたときに、もう一つ大切なことは、これまで先輩方が積み重ねてきた技術や経験を、次の世代へつないでいくことです。

工場には、作業手順書だけでは伝えきれない、長年の経験から生まれた工夫がたくさんあります。
この材料のときはこうしたほうが作業しやすい。この音がしたら機械を確認したほうがいい。この作業は先に準備しておくと、後の工程が楽になる。
こうしたことは、長年仕事をしてきた人にとっては当たり前のことかもしれませんが、初めて仕事をする人にとっては、簡単に分かることではありません。
だからこそ、ただ作業のやり方を教えるだけではなく、なぜそうするのかまで伝えていくことが大切です。
そして、教わった側も、今までのやり方をそのまま続けるだけではなく、もっと良くする方法はないかと考えてみる。
先輩から教わったことを大切にしながら、自分なりの工夫を加えて、次の人へ渡していく。そうやって、技術は少しずつ進化していくのだと思います。
こうした技術や工夫の積み重ねが、60年というアサヒの歴史につながっています。
60年間会社が続いてきたのは、これまで働いてきた多くの人たちが製品をつくり、技術を守り、そしてその時代に合わせて工夫を続けてきたからだと思います。
今、私たちが当たり前のように使っている設備や作業方法も、過去の誰かが考え、改善してきた結果であり、そして今度は、私たちが次の世代へ渡していく番です。

これからの工場は、ただ早く作れる工場ではなく、品質を守りながら無駄を減らし、働く人がより良い仕事に集中できる工場でありたいと思います。
効率化と品質向上は、どちらか一方を選ぶものではありません。無駄を減らして生まれた時間を品質の向上に使い、品質が安定することで手直しやロスを減らす。そうすることで、効率もさらに高めていくことができます。
これまで受け継いできた技術を大切にしながら、新しい設備や考え方も取り入れていく。
60年かけて築いてきたアサヒのものづくりを、次の世代へつないでいくために、今の私たちに何ができるのか。
日々の仕事の中で、一人ひとりが少しずつ考え、工夫していく。
その積み重ねが、これからのアサヒの工場をつくっていくのだと思います。

神戸課長



